お家のこと⑦ ~土地を購入する女~

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工務店の娘さんに一生懸命に見つけてもらった土地は、これを管理している不動産屋と直接交渉をすることになった。

その不動産屋は、家を建てることも請け負っている小さな会社で、男性が一人で切り盛りしていた。

土地購入の交渉をする際、まずは近所に住む両親に、このような気になる土地が出てきたと相談をした。

余計な時だけ過保護な両親は、勢い勇んで現地を見に行き、即不動産屋に電話をした。

だが、購入するのは親ではない、私だ。私からの申し出がないと、土地を押さえることもできないということで、正式な手続きは後日にして、購入の意思がある旨の一筆をFAXで送った。

このとき、即行動をしたのは訳がある。

中古物件を探していたとき、条件が悪くない物件があり、内見もした上で相当心が傾いていた家があったのだが、ちょうど仕事も忙しい時期で1週間ほど時間を空けていたら、他の人の手に渡ってしまったのだ。

そのような経験があったので、次にぐらりと心が揺らいだものがあれば、一応それなりに慎重になることを心掛けつつ、行動を即座に動かそうと思っていたのだ。

管理をしていた不動産業のおじさんは、人辺りのよい陽気な人であった。

ただ、購入するのは私だと伝えているのに、何故か私の父を相手に話を進めようとした。父は父で金を出しもしないのに、その交渉をまんまを受けようとするので、そこはさすがにグサリと釘を刺した。

この土地購入は、不動産のおじさんは間に入ることはするが、あくまで当事者同士の直接売買という形を取ったので、実家で契約の説明を受けた後、日を改めて、土地の売主と直接契約を交わすことになった。

前回にも書いたが、購入した土地はもともと家が2棟建っていたところで、土地も2筆に分かれており、契約の相手方も2人いた。

不動産屋の場所を借りて会った一人目の売主は、自分よりも少し年上の女性で、会った瞬間、向こうも緊張が解けた様子が伺えた。その方にとっても思い入れのある土地であるだろうし、この人に譲ることができて良かったと思ってもらえたなら何よりだ。

少し時間を空けて、二人目がやって来るのを待った。

やがて、少々恰幅の良い、勢いの良い年配男性が入ってきた。

不動産屋のおじさんに親しく声をかけて、狭い空間の真ん中に置いてあったソファーの私の向かいにどかりと腰かけ、しばらくおじさんと雑談をした後に「で、相手の人は?」と聞いた。

「その人だよ」と不動産屋のおじさんは言った途端、だらしなく座っていた年配男性は、あ!と急に居住まいを正した。

この人はいったい、先にソファーに座っていた私を何だと思っていたのだろう。事務員とでも思っていたのか。

土地を購入するだけでも、こうしたモヤモヤが発生する。常に考えてしまう。私が男性だったら、初めからこちらを見て対応してくれたのだろうかと。

だから、ハウスメーカーや工務店選びにしても、施工主が女性一人であってもきちんと向き合ってくれることを第一条件としたのだ。

まあ、その後の登記まで一応滞りなく土地購入は済んだので、良しとすることにする。

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