ソーラーサーキットを付けると、どう快適になるのか。
依頼した工務店は、この装置を取り付けたモデルハウスを持っており、打ち合わせはいつもそのモデルハウスの中で行った。
工務店の娘さんは、「ソーラーサーキットのお家だと、冬もそこまで寒くならないので、暖房も少ししか点けなくて良いよ」と言っていた。
モデルハウスは広い家ではなかったが、3階建てで、2階にあるリビングは階段との仕切りがなく、開放的だった。
確かに、モデルハウスの中のどこにいても、ヒンヤリした感じはなかった。過剰な暖房はしていなかったため、暖房で温められた空気の特融の息苦しさもなかった。
ただ、この時はソーラーサーキットの良さを充分に分かったわけではなかった。
自分の家ができて住み始めてからも、初めの2年ほどは「まあまあかな」と思う程度だった。夏も冬も、室内は割と温度変化が緩やかというだけで、エアコンはやはり必須だったからだ。
ただ、今思えば、長年の生活習慣によって、夏や冬は「エアコンを点けねばならない」という思い込みによって、ソーラーサーキットの本当の力を体感できずにいたのだと思う。
3回目の冬を越す時期になると、外から帰ってきた際に、
「あれ、暖房が点いているのかな?」
と思うことが増えた。外の寒い所から入ってくると、家の中がふんわり暖かく感じるのだ。
しかし、暖房は点けていない。点けていたとしても、朝の身支度の時に数時間点ける程度だ。仕事に出ている間はなにもしていない。
夜、1階のリビングで過ごしている間は、少し肌寒くなれば暖房をゆるく点ける。自分が息苦しくなく、快適に過ごせる室温は、18~20℃くらいだということも分かった。23℃設定のエアコンを点ければ、すぐにそのくらいの室温に達する。
これだけで家中どこにいても寒くないので、寝る時間になったときにも、2階の寝室の暖房を点けることはなかった。雪が多い時期であったとしてもだ。
朝、起きて1階に降りてくれば、リビングは多少は冷えている。大抵は16℃くらいだ。最も冷えた日で、13℃くらいだった。室温が一桁になることは決してなかった。
脱衣所もトイレも寒くなかった。個別のヒーターなどは無用だった。
ソーラーサーキットの難点を一つ上げれば、家の外壁と内壁の間に空気を通すような作りになるため、家が湿気とは無縁となるが(これ自体はとても良いこと)、人間にとっては乾燥しがちであることらしい。
ただ、この乾燥しがちな点も、逆に冬場でも洗濯物が余裕で乾くので何の問題にもならなかった。
断熱性能が低い、寒い寒いアパートに住んでいたときは、部屋に洗濯物を干しても2日間ほど乾かなかったことを思えば、むしろありがたいくらいだ。
3年目にして、体に負担が少ない家にできたと感謝している。
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