さて、住み替えの選択肢からマンション購入を外したところで、
では中古の一軒家か、建て売りか、注文住宅か、どれを選択するべきか再び迷った。
まずは早々に建て売り住宅は消えた。なぜなら、たいていの建て売り住宅は4~5人程度のファミリーを想定した間取りなので、一人暮らしの自分には大きすぎるのだ。
かといって、自分としては家を持つために大きな資金をかけるつもりはなく、
老後にどこかの施設に入居する際には、さっさと売ってしまえば良いと思っていたので、それまで住むに堪えうる家であれば良いと考えていた。
そんな思いから、最初は中古住宅を探していたのだが、これもなかなか難航する。
週に一回ポストに入る地域の情報誌に、毎回不動産物件が載っているので、まずはこれで気になる物件を見せてもらったりした。
結論から言うと、手頃かと思う中古物件は、そのまま住むにはやはり老朽化している箇所が気になり、多少リフォームをしようと見積を一緒に出してもらうと、トータルの金額は新築住宅とそう変わらないように思えた。
そして、当然ながらファミリー向けの建物なので、やはり一人住まいにしては無用かということも大きかった。
そんなわけで、この頃からは私の方向性としては、利便性の高い場所の小さな土地を購入して、立派でなくても良いから小さなお家を建てる、このような形に集約されていった。
ところで、住まいの条件にあたり、私は立地をとにかく譲らなかった。
基本的にバス通勤である自分は、バス路線の便が良いところで、また将来介護が必要となったときのために実家にある程度近い場所であることを必須とした。
現在、たままた公共交通について考える仕事に就いているが、この条件は譲らなくて良かったと心底思っている。
同居する家族のいない私は、将来車を手放したときに、それでも生活に困らないようにしなくてはならなかった。スーパー、ドラッグストア、病院が近いのはもちろん、生活の豊かさを下げないために、将来的にも街中や駅周辺、文化施設等へのアクセスが良いところであることも必要だった。
これをクリアすることができず、老化による判断能力が衰えていてもなかなか車を手放せない例はたくさん見てきた。
また、郊外に住んでいるために、赤字や人手不足で縮小するバス路線に不満を抱える人の話も多く聞いた。
現在の住まいは、実家には徒歩15分弱、車なら5分もかからない場所であり、またバス路線としては、市の交通計画でも重要路線と考えられている範囲に入っているので、将来的な足を切り捨てられることはないだろうと考えている。
将来親の様子を見るために実家に通う必要が出てきたとしても、これならば移動の負担も少ない。
日々の生活に移動時間を多く取られるのはまっぴらごめんだ。
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