ある程度設計が進んでくると、いよいよ内装の話になってくる。
次から次と決めなくてはいけないことばかりで、ここからは楽しくもどんどん脳が疲れてくる。
自分の場合は、一人で全てを決めなくてはならないため、全て自分の好みにできるとはいっても、「疲れたー適当に選んでおいてー!」と投げ出すことはできない。
とある日、工務店の娘さんと一緒に住宅設備を選ぶために、ショールームが立ち並ぶエリアで待ち合わせをした。
工務店の娘さんは、予算から既に2カ所の会社を選んでおいてくれた。
まず一件目は、良く耳にする「LIXIL」だ。こだわりのない私でも聞いたことがある。なんだかオシャレなイメージのところだ。
LIXILのショールームは、そこそこ大きな建物だった。中に入ると、何人もの身綺麗なお姉さまたちが迎えてくれる。
この日に見るのは、キッチン、トイレ、お風呂だった。
これらの設備が、自分のためだけに用意されるのだと思うと、自然と心が躍った。
自分だけのキッチン。自分だけのお風呂、トイレ。注文住宅ならではの
一通り説明をしてもらい、アイテムを選び、色も決め、見積もりを後から出してもらう約束をして、LIXILのショールームを後にした。
後で聞いたが、基本的にキッチン、トイレ、お風呂は同じメーカーで決めるらしい。この方が値引きが効くからだと。
しかし、これらの設備に夢を大きく抱く奥様の中には、キッチンはどこどこ、お風呂はあのメーカーにしたい、というように、割高になってでもこだわって選ぶ方もいるらしい。
情熱がすごい。
さて、次は家電量販店YAMADAのフロアの一部をショールームとしていた、「housetec(ハウステック)」というところに連れて行かれた。
先ほどの立派な建物を持っていたLIXILに比べて、フロア面積もこじんまりとしており、スタッフも表には2名ほどしかいなかった。
LIXILには何組ものお客さんがいたが、ハウステックには私たちしかいない程度だった。
そこでも、同じようにキッチン、トイレ、お風呂を見せてもらう。説明の仕方はどことなく夢を膨らませるような物言いではなく、堅実な感じである。
ただのスタッフの性格かもしれないが。
こちらも悪くなかった。むしろ、キッチンの扉カラーなどは、こちらのデザインや色の方がセンスが良かった。
こちらも、色などのプランを決めて、見積もりを後でもらうことになった。
帰り際、工務店の娘さんは「どちらにするか迷うでしょう?」と聞いてきた。
私は「いえ、ハウステックにする」と即答した。
正直、どちらが優れているかは私に分からない。何を持って判断したのかというと、大きなショールームと多人数のスタッフを備えているLIXILよりも、地味な佇まいと必要最低限のスタッフで対応するハウステックの方が、『営業に余計なお金を使っていない』と考えた。翻って、同じ価格帯であれば、ハウステックの方が質が良い可能性があると思ったのだ。
聞けば、工務店の娘さんの家も、このハウステックの設備らしい。なら、尚更間違いはないだろう。
このキッチン、トイレ、お風呂を2年半使っているが、デザインも良く、何一つ不満はない。
ちなみに、このハウステック、元は日立グループであるらしい。
コメント